島根で頑張る人

『島根で頑張る人』は県内で活動する人にスポットを当て、考え方や経験から活動に迫るコーナーです。スタッフの「学び」も兼ねて取材させていただいています。

しまねで頑張る人イメージ

住民みんなで楽しく地域を支える!

“わっしょい志々会” が活動する志々地区は、飯南町北西部の山間に位置している。人口は530人、2人に1人が高齢者だ。名前の「わっしょい」は、少子高齢化が進む地区にあっても、「元気出していこう!わっしょいとがんばろう!」とつけられた。そんな思いを胸に、同会の事務局員の桐原敏さんは、「せっかく生まれた所なんだし、自分で出来ることはしたい」と活動している。

桐原さんが活動をする際に大事にしているのが、住民による実態調査をふまえ、同会が掲げた次の二つの目標だ。
(1)誰もが安心、安全に暮らせる志々地区を創り、
(2)若い人が生計を立てられる志々地区を目指すというもの。
こうした志をもとに、同会は、平成28年、地区に商店がなくなった為、お助けショップ『ささえさん』を開いた。

食品、日用品、服、野菜の種といった様々な物を取り揃えている。その壁に、手作りのポスター「支える人 支えられる人 みなボランティア」が貼られている。その言葉にあるように、住民同士が力を出し合い、助け合い、それぞれ無理のない形で、楽しく取り組んでいることが、活動継続の秘訣だ。

同会での桐原さんの活動は多岐にわたる。地域サロン『陽サロ2号店』に来るお年寄りや買物客の送迎、高齢者世帯等への声掛け訪問、食材や商品の買い出しなどを行っている。買い出しは、週1回から2回、出雲市や大田市まで出かけることもある。

また、サロンや配食での調理、声掛け訪問に参加するボランティアへの呼びかけやフォローも、桐原さん達事務局員の大切な仕事だ。

例えば、サロンの調理ボランティア(約30名)は、桐原さん達の声掛けによって1回あたり3~4名が集まり、「こんな調理法があるんだ」と情報交換しつつ、楽しく活動をしている。桐原さんは、日にちも時間も役割も、無理しないで続けてもらえるといった、ボランティアに出やすい環境づくりを大事にする。
半年に1回、調理ボランティア参加者の「良い意味の」反省会を開く。否定ではなく、「こんなのがあったら良いね」といった前向きなもの。提案に対して「変えられるところはすぐ変える。疑問にも答えていく」という。

一方、「楽しい」とサロンを利用する人達も、「行く」という気持ちになってサロンを盛り上げているボランティアだそうだ。調理ボランティア・同会・サロンを利用する人達、三者三様の支え合いがそこにある。

桐原さんの今後の目標は、同会を法人化し、若い人が生計を立てられると共に、会の意思が継がれるようにしていくことである。地域で必要とされる仕事を把握しつつ、目標の実現のために、一歩ずつ確実に歩んでいる。

(Y)