島根おこすジャーナルVol7

島根おこすジャーナルVol7
全国で約8000人が活動している地域おこし協力隊。中国地方にある島根県では、273人(2024年10月31日現在)が活動し、協力隊経験者による「しまね協力隊ネットワーク」が隊員や自治体のサポートをしています。
どんな人が、どんな風に島根をフィールドに、その人らしく活動しているのか。
この「島根おこすジャーナル」でお届けしたいと思います。
島根県の位置図
島根おこすジャーナルvol7

自治体 川本町

川本町で中間支援をされている皆さん

川本町を支える「中間支援」の力
—協力隊が根づく仕組み

人口減少が進む地域にとって、地域おこし協力隊は期待したくなる存在です。しかし、受け入れ体制が不十分だと、隊員が孤立したり定着しなかったりする場合もあります。そうしたなか、川本町は、中間支援組織の一般社団法人かわもと暮らしが中心となり、協力隊と地域をつなぐ仕組みを整えている点が注目されています。

ご自身が協力隊経験者でもある、かわもと暮らしの浪崎健一さん。着任した隊員一人ひとりに伴走し、活動の相談から生活面まで幅広くサポートします。ある隊員は「着任直後は地域とのつながりがなく不安でしたが、かわもと暮らしがキーパーソンを紹介してくれて、一気に活動の道が開けました」と話します。事務的なサポートにとどまらず、地域に入るための“橋渡し役”を担っているのです。また教育系隊員の受け入れ先となっている一般社団法人asolab(あそラボ)の代表の大村信望さんも協力隊経験者です。活動を協力隊に丸投げにせず、経験者を中心にサポート・伴走体制をつくって、地域とうまくニーズがあったところに入っていければ隊員も能力を発揮できます。

直近では女子野球チーム「島根フィルティーズ」の結成に伴い、選手を中心に13名の隊員が新たに着任しましたが、かわもと暮らしが受け入れ、地域での活動も展開しています。地域イベントやボランティアでファンを増やし、球場の観客が増える好循環が生まれているのです。選手たちも野球だけなく地域の魅力を体感し、経験を積んでいるところです。

川本町の取り組みは、制度を運用するだけでなく、人と人との関係を丁寧に編み直している点に特徴があります。役場と中間支援組織が連携し、協力隊のサポートができる体制をつくることができれば、ミスマッチが減り、隊員のポテンシャルが引き出され、地域にも望まれる形で入っていくことができます。隊員経験者など中間支援に動くサポート人材や組織の存在も、地域の魅力といえるでしょう。

川本町で活躍する地域おこし協力隊員たち

どういう人がどんな活動をしているのかその一部をご紹介します。

地域おこし協力隊開本恭代さん
お名前(よみがな)
開本恭代(ひらきもと・ゆきよ)
どんなミッションに取り組んでいますか
中高生の居場所づくり。社会を担える人づくり。ワクワクすることを一緒に見つける。
普段どんな活動をしていますか?具体的に。
あそラボで中高生の居場所づくりのスタッフとして活動しています。中高生と対話やボードゲーム、スポーツを通じた交流を行なっています。日常的な関わりの中で中高生の「やってみたい」を見つけたり、ワクワクすることを一緒に楽しんだり、中高生に寄り添い一緒に楽しむことで、安心して過ごせる居場所を目指し活動中です。
活動の目標。任期中に達成したいこと。
地域の大人と中高生が自然に交流できるような関係構築、世代を超えた学びや活動がさらに広がる場所にします。一人一人のワクワクすることに向き合い、大人とのつながりを生んでいきた
地域おこし協力隊杉村真美さん
お名前(よみがな)
杉村真美(すぎむら・まみ)
どんなミッションに取り組んでいますか
観光情報やイズモコバイモをはじめとする町内の自生植物をPRし、県内外の人に川本町を知ってもらうこと
普段どんな活動をしていますか?具体的に。
イズモコバイモを知ってもらうためのPR活動をしています。関連商品の委託販売や団体客の誘致など来年3月の花期に向けて準備をしています。観光協会ではレールバイクのイベントを開催したり、県内外で行われるフェアへの出店補助をのほか、パンフレットやホームページの更新作業などに従事しています。
活動の目標。任期中に達成したいこと。
イズモコバイモをより多くの人に知ってもらい、町に来る観光客を増やしたいです。SNSを駆使し新規開拓を進め、毎年3月に行っているイズモコバイモ祭りの参加者を今より1.5倍にすることが目標です。
地域おこし協力隊松永みゆきさん
お名前(よみがな)
松永みゆき(まつなが・みゆき)
どんなミッションに取り組んでいますか
女子野球をきっかけに、地域のいいところをもっと知ってもらったり、みんなが集まって交流できる場をつくったりして、地元に根ざした元気なまちづくりを進めていきます。
普段どんな活動をしていますか?具体的に。
野球を中心に、地域のつながりを広げるいろんな活動をしています。イベントでPRしたり、SNSや広報で情報を発信したり、保育所や高齢者施設のお手伝いをしたりするほか、観光や特産品とコラボした企画に挑戦中です。
活動の目標。任期中に達成したいこと。
女子野球をもっと広めて、子どもから大人まで気軽に集まれる場をつくって、大会やイベントを通じて町を訪れる人を増やしていきたいと思っています。

協力隊を支えるサポーターたち

サポーター大久保一則さん
お名前(よみがな)
大久保一則(おおくぼ・かずのり)
普段はどんなお仕事をしていますか?
女子硬式野球クラブ「島根フィルティーズ」の運営のほか、隊員と町内を繋げる役割やイベント開催や研修等のキャリア支援
地域おこし協力隊のサポートで工夫していること
隊員の任期後を考えた研修内容や業務のマッチングを心がけています。定期的にヒアリングを行い、隊員との信頼関係を築けるよう努めています。また地域の方と接する機会も多くつくっています。
サポーター浪崎健一さん
お名前(よみがな)
浪崎健一(なみさき・けんいち)
普段はどんなお仕事をしていますか?
川本町で移住相談・地域おこし協力隊の活動サポート。人と地域をつなぐ橋渡し役として、日々町の魅力を伝えています。
地域おこし協力隊のサポートで工夫していること
地域おこし協力隊の皆さんが安心して活動できるよう、地域の方とのつながりづくりをしています。主に年2回の町内合同研修の実施と毎月の月例面談を通して、隊員が力を発揮できるようサポ―ト中です。
サポーター城所佑志さん
お名前(よみがな)
城所佑志(きどころ・ゆうし)
普段はどんなお仕事をしていますか?
大学との連携や大学生の受け入れ支援など、地域と学生をつなぐ活動。教育や交流を通じて、双方にとって学びと成長の機会を生み出しています。
地域おこし協力隊のサポートで工夫していること
隊員の業務支援はもちろん、個々のキャリア形成と地域での活動が両立できるよう配慮しています。そのために、活動時間や地域との関わり方を一緒にデザインし、町内外の人や場所との接点を提案。安心して生活・活動できるよう、日常的な相談対応や情報共有の場も設け、挑戦を後押ししています。

隊員事例

柴田健治さん

「しばいっぬ」と歩む益田の未来 柴田健治しばた・けんじさん(40)

島根県益田市出身の柴田健治さんは、Uターンで地域おこし協力隊として着任しました。子どもの頃から歴史が好きで、歴史の本を読んだり、地元にある七尾城に登ったりしていました。

上京後、様々なキャリアを経て東京・西東京市でラーメン店の店長を5年ほどしていましたが、2020年のコロナ禍で営業停止に。時間ができたことで、自身のルーツや益田の風景に改めて想いを寄せるようになりました。そんな中、同年6月に益田市が日本遺産に認定されたことを知り、「地元に戻って何かやりたい」という思いにつながります。

柴田さん考案の「しばいっぬ」

数年前に父から聞いた「益田は柴犬の発祥の地」というニュースが心に残っており、自分のあだ名が“しばけん”だったこともあり益田に戻り「歴史と柴犬」のことをしていくことを決意。2020年6月には「しばいっぬ」というキャラクターの商標登録を行い、島根県東京事務所で移住相談も開始。家族ともじっくり話し合い、2年後、満を持して益田にUターンしました。

2022年10月に協力隊として着任してからは、「地域に入っていくこと」「誘われたら断らない」「何よりも自分が楽しむ」を信条に、地域内の様々なコミュニティに参加しながら、地元との関係性を築いていきました。

島根での暮らしで大事にしているのは、「半径1kmのこと」を考えること。都市にいた頃より視界がクリアになり、暮らしの輪郭がくっきりしたといいます。田舎は、自分の名前で生きていける場所。人とのつながりが、日々の営みそのものを豊かにしてくれると感じています。

今後は起業を目指し、柴犬と日本遺産を軸にした拠点づくりに挑戦する予定です。夢は、七尾城の復元。歴史と柴犬が共存するまちを、自らの手で目に見える形で変えていきたいと語ってくれました。

翠梨重さん

地域に寄り添い、人に寄り添う。
安来市の協力隊が伝える介護の魅力
翠梨重みどり・りえさん(40)

介護職の魅力を伝える活動をしている翠さんは、大阪府出身。歯科衛生士として働いていましたが、夫婦でゆったりと過ごせる暮らしを求め、以前から心惹かれていた島根県への移住を考えるようになりました。そんなときに出会った安来市で、2024年から地域おこし協力隊として新たな一歩を踏み出しています。

「釣り好きの夫と一緒に、夫婦の時間を大切にしながら農業をしたいと思ったんです」。現在は、苺の産地である安来市に移り住み、夫は苺農家を目指して研修に励み、翠さんは協力隊の活動をしながら日々を支えています。住みたい場所から仕事を探した結果、導かれるようにたどり着いたのが「地域おこし協力隊」でした。

現在は歯科衛生士としての知識を活かし、介護の魅力を広く発信することを中心に活動しています。福祉系短大生と一緒に小中学校で出前講座を行ったり、移住フェアで介護に挑戦したい人の相談を受けたりと、活動の場は多岐にわたります。「新しい土地で介護を始めるには勇気がいりますよね。不安を抱えている方には『やってみたらいいじゃない』と背中を押してあげたいんです」と話します。やってみないとわからないことばかりですし、協力隊もやっていくうちに興味が広がったり自分自身も経験したからこその後押しだと語ります。

介護の仕事は「きつい・汚い・危険」と思われがちですが、翠さんが出会ってきた人たちは明るく優しい方ばかり。「だからこそ、この仕事の魅力をもっと知ってもらいたいんです」と笑顔を見せます。これまでにも、未経験で自信のなかった方が初任者研修を経て介護の現場に立つまでを支えた経験があります。施設では就職前の細やかなフォローが難しいため、間に立って橋渡しをすることで、本人も施設側も安心できると感じています。

休日には夫婦で島根のあちこちを巡ったり、苺ハウスの手伝いをしたりと、思い描いていた暮らしを楽しんでいます。「任期後は夫の苺ハウスを支えながら、講座や発信活動を続けていきたい。安来での暮らしが楽しいと思ってもらえるきっかけをつくれたら嬉しいですね」と未来を描いていました。

経験者事例

水間航多さん

島の小さな集落で
ゆっくり醸すビールとつながり
水間航多みずま・こうたさん(36)

人生の転機はいつ訪れるかわからないもの。東京都出身で元会社員の水間航多さんは、現在、離島の隠岐の島町の小さな集落・飯美で【隠岐の島Brewing飯美】を準備中です。

インターネットでたまたま見つけたローカルジャーナリストの田中輝美さんの本が島根との出会いとなり、「しまコトアカデミー」を見つけ、2018年に受講。その中で初めて隠岐の島を訪れました。一方で自転車好きでもある水間さん。自転車仲間と長野へサイクリングしに行ったとき、現地で飲んだ地ビールの美味しさと楽しさが心に残り、ビールづくりにも関心を持っていました。そして、隠岐と自転車とビールがつながって「いつか島でクラフトビールを作りたい」と夢を抱いたのでした。

翌年、何度も島へ足を運ぶうち、ここに住みたいという気持ちが募ってきました。また、ビールづくりをどうやって始めるかも悩む中、まずは地域おこし協力隊として働きながら準備しようと一念発起。2020年4月に着任しました。住まいは活動拠点の布施にも近い飯美地区に借りました。前年、先輩隊員が企画した体験プログラムで、飯美神社の2年に1度のお祭りの手伝いに参加し、神社からの練り歩きに幟旗を持ってついて歩いたそうです。それが飯美とのご縁の始まりでした。

遊休施設を活用するミッションに取り組みながら、地域の人たちとの繋がりも深め、3年目には飯美の地区長を任されるほどに。そして、地区の皆さんの同意を得て、10年ほど前に閉まって物置になっていた元売店の建物を醸造所にできることになりました。ビールの作り方の研修を受けたり、醸造所の場所を決めて許可を得るなどするうち、2023年3月で協力隊の任期が満了しました。酒類の製造販売をするには保健所だけでなく税務署の許可も必要で、最低製造数量やその販売計画などが求められ、設備工事のための資金調達などさまざまな課題があったそうです。水間さんは任期後もアルバイトをしながら、ホップの栽培も始めたりしながら、課題をひとつひとつクリアし、ゆっくりじっくり進んでいます。その姿を地域の皆さんは見守りながら乾杯の時を待っています。今年の秋か冬頃、その声が聴こえてきそうです。

協力隊のギモンQ&A4コマ漫画

地域おこし協力隊って公務員なの?
活動費の200万円ってもらえるんですか?

サポート体制

研修・交流について

島根県、公益財団法人ふるさと島根定住財団、一般社団法人しまね協力隊ネットワークが協力して、地域おこし協力隊のサポートに取り組んでいます。 基礎研修や地域おこし協力隊員・自治体職員合同研修、活動発表会、現地視察型の研修交流会「協力隊の縁側」を実施。さまざまな学びとつながりづくりの場を開催し、活動をサポートしています。

基礎研修の様子

基礎研修

着任して間もない隊員が対象。協力隊として活動するための基本を学び、隊員や隊員経験者、支援機関とのつながりを作ることで、活動をスムーズに始めたり、相談しあえる仲間づくりをします。

合同研修の様子

合同研修

隊員と担当職員がともに学ぶ研修会です。有識者による講義と隊員経験者などによるテーマ別の分科会で、たくさんの事例を学び、テーマ別で話し合います。現在の活動の充実と任期後に向けた情報収集やつながりづくりを目的としています。隊員・担当職員ともに活動現場から離れて視野を広げ、活動を俯瞰することが、より良い活動につながります。

活動発表会の様子

活動発表会

主に3年目の隊員が発表者となり、活動期間の振り返りと任期後についてプレゼンをします。先輩隊員の実践から学べるよう、アーカイブも作成しています。

協力隊の縁側のメンバー

協力隊の縁側

島根県各地の隊員経験者や隊員の活動拠点を訪問し、現地視察しながら参加者同士の交流を深めるイベントです。県内各地の魅力にふれる時間でもあります。

任期後の生業づくりや就業活動などご相談ください!

チューター制度

現役隊員にむけて、関連した知識や技術・経験を持つ島根県の地域おこし協力隊経験者がチューターとして、現場視察や相談対応、アドバイスを行います。現役隊員の任期後の生業づくりや就業活動等に活かしてもらい、定住・定着を促進することを目的としています。

しまね協力隊ネットワークについて

島根県の地域おこし協力隊の現役隊員・隊員経験者と、そのサポートを大切にする人たちのネットワークグループです。つながり、ともに学ぶ場をつくり、協力隊の活動や島根での暮らしがより良いものになるよう協力し、隊員が入った地域や団体、そして自治体がより良いものになることを目指しています。2017年11月に隊員経験者有志により任意団体を設立、2019年4月より一般社団法人になりました。
島根県の地域おこし協力隊サポート事業に関する企画・運営を行うほか、市町村からのご依頼に応じて、研修や導入支援、募集サポート、制度設計など、地域おこし協力隊制度のより良い運用の支援を行っています。また、島根県の移住促進や関係人口創出、地域づくりに関連する事業にも、県内全域のネットワークを活かして参画しています。

主な運営メンバー

代表理事三瓶裕美さんべ・ひろみ(雲南市協力隊OG 2011.8-2014.3)

東京都出身。体づくりと農ある暮らしをテーマに人がつながる場づくりをしている。つちのと舎 代表、地域おこし協力隊サポートデスク 専門相談員、総務省地域おこし協力隊アドバイザー、総務省地域力創造アドバイザー、社会教育士。

副代表西嶋一泰にしじま・かずひろ(大田市協力隊OB 2016.7-2019.6)

東京都出身。島根県立大学地域政策学部講師。専門は日本各地の祭の研究。フリーランスとして記事や映像の制作、ウェブ配信、ファシリテーターなども行う何でも屋。ブックスペースはらっぱ図書室も運営。

事務局長濱田達雄はまだ・たつお(奥出雲町協力隊OB 2016.4-2019.3)

島根県出身。奥出雲町を中心として、地域×不動産をキーワードに”まちのにぎわいをつくる”複数事業を展開中。(株)OKU-Reno.(オクリノ不動産)代表取締役、(一社)リーガルサポート雲南代表理事、行政書士。

理事塩谷夏輝しおたに・なつき(松江市経験者 2019.4-2022.3)

島根県出身。「スポーツによるまちづくり」をテーマに地域の民間企業や団体と共に様々な事業やイベントを開催している。一般社団法人地域おこしスポーツ協力隊ネットワーク 代表理事、全国地域おこし協力隊ネットワーク企画メンバー。

理事森田八雲もりた・やくも

大阪府出身。松江市の元地域おこし協力隊担当職員(2023.4〜2025.3)協力隊員全員の担当として、要綱・運用の改正や採用活動、地域との連携、隊員経験者による研修・サポート体制の構築に注力した。松江市役所人事課、総務省地域おこし協力隊アドバイザー。

しまね移住フェア
個別市町村の職員・協力隊員研修

お問い合わせ

一般社団法人しまね協力隊ネットワーク

mail:shimaneknw@gmail.com
Web:https://shimaneknw.localinfo.jp
Facebook:https://www.facebook.com/shimane.kyouryokutaiNW/

地域おこし協力隊制度について

地域おこし協力隊とは?

3大都市圏を中心とした都市住民が過疎地域を始めとした条件不利地域に移住(住民票を移動)し、地域おこし活動の支援や農林漁業の応援、住民の生活支援など「地域協力活動」に従事し、あわせてその定住・定着を図りながら、地域の活性化に貢献するものです。

全国各地の地方公共団体(主に市町村)がそれぞれの地域の状況に合わせた活動内容で隊員を募集し、選考プロセスを経て「地域おこし協力隊員」として委嘱します。隊員の任期は概ね1年以上3年未満です。地方公共団体が隊員の活動にかけた経費に対し、国が財政支援する仕組みになっています。隊員一人あたり年間550万円が上限で、そのうち報償費の上限が350万円、それ以外の経費の上限が200万円となっています。

平成21年に総務省が制度化し、初年度は31団体・89名でしたが、令和6年度は1,176団体・7,910名が取り組んでいます。地域おこし協力隊インターン制度もあり、2週間〜3ヶ月のプログラムを実施している団体もあります。

地域おこし協力隊・地域・地方公共団体の力を合わせて三方よしに!

地域に根ざす、多種多様な地域おこし協力隊

各市町村やミッションにより地域おこし協力隊の活動内容はさまざまです。任用形態も会計年度任用職員として自治体に雇用される場合や個人事業主として委託される場合など様々。また、隊員になる人の年齢層は20代〜30代が7割を占めますが、10代から60代まで幅広く分布しています。
多様な地域おこし協力隊ですが、共通しているのは「地域に根ざす」ということ。地域に学び、地域と交わり、地域の力を高めて、新たな未来を拓きます。

主な活動内容
農畜産業、林業、漁業への従事/地域コミュニティ活動/地域産品の生産・加工・開発/情報発信・PR/観光サービス/移住・交流促進/教育・学習支援/文化・スポーツ振興/空き家・空き店舗対策/環境保全、自然保護、鳥獣対策/地域の伝統産業、技術伝承/その他

しまね協力隊 UPDATE

『地域の一員になってきた協力隊』

  • 三瓶さん
  • 田中さん
三瓶)
最近の大きいトピックは、総務省の地域おこし協力隊推進要綱の改正ですね。全国で協力隊制度は多彩に活用されていますが、改めて要綱に「公益性」という言葉が入ったことで、「うちの地域はどうだろう」と見直すきっかけになったと思います。
田中)
確かに。制度そのものも浸透しましたよね。昔は「協力隊って何?」と聞かれることも多かったけど、今は地域にいて当たり前の存在になってきてますね。
三瓶)
県単位の協力隊ネットワークも次々立ち上がり、各県でのサポート体制も整ってきました。協力隊経験者がサポート側にまわり、さらにサポート人材を育成する全国研修も始まっています。
田中)
私もなんと地域おこし協力隊を受け入れる側になりました。浜田市にある美又共存同栄ハウスに入ってもらっているのですが、新しく来てくれた隊員を地域の人が自然に歓迎してくれて、「いい仕組みだね」と喜んでくれたんです。
三瓶)
地域が外の力を受け入れる力を少しずつ育んできた証拠ですよね。最初の頃は負担に感じることもあったと思うけれど、経験を重ねて対応できるようになった。
田中)
協力隊の3年間の活動期間は本当にありがたいです。隊員にとって次のステップを考える大事な期間になるし、受け入れる地域にとっても大きな変化をもたらします。
三瓶)
そうそう。新しい人が暮らしに加わると、地域の関係性そのものが変わるんですよね。
田中)
一時的な滞在ではなく、暮らしを共にするからこそ信頼関係が築ける。単なる人材支援にとどまらず、地域の未来を一緒に考える仲間になっていると感じます。
島根おこすジャーナル島根県地図
島根への移住、定住に関する情報
(公財)ふるさと島根定住財団
https://www.teiju.or.jp

島根県では地域おこし協力隊19市町村247名が活動しています

島根県データ
  • 人口:634,156人
    (2025年8月1日現在推計人口)
  • 面積:6,708km2
    (2025年4月1日調査時)

地域おこし協力隊 
市町村担当課一覧

松江市 定住企業立地推進課
浜田市 定住関係人口推進課
出雲市 自治振興課 中山間地域振興室
益田市 連携のまちづくり推進課
大田市 まちづくり定住課
安来市 やすぎ暮らし推進課
江津市 地域振興課
雲南市 うんなん暮らし推進課
奥出雲町 政策企画課
飯南町 まちづくり推進課
川本町 まちづくり推進課 地域政策係
美郷町 美郷暮らし推進課
邑南町 地域みらい課
津和野町 総務財政課
吉賀町 企画課
海士町 財政課
西ノ島町 産業振興課
  • 08514-6-1220
知夫村 地域振興課
隠岐の島町 地域振興課 定住推進係